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閑遊閑吟 

妹背山婦女庭訓 第一部

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9月15日(金)国立劇場にて鑑賞。

来月末で閉場する国立劇場、さよなら特別公演として、
今月と来月の二ヶ月に渡って「妹背山婦女庭訓」が通し上演されます。
なかなか通しで上演されることはないので、この機会にと。
思えば「仮名手本忠臣蔵」の通しも国立劇場で観たんですよね。

太宰後室定高 中村時蔵
蘇我入鹿 板東亀蔵
久我之助清舟 中村萬太郎
腰元小菊 市村橘太郎
采女の局 板東新悟
太宰息女雛鳥 中村梅枝
大判事清澄 尾上松緑

序幕 春日野小松原の場
二幕目 太宰館花渡しの場
三幕目 吉野川の場

前回「吉野川」の場を観たのは2016年9月歌舞伎座。
このときはまだ内容を把握しておらず、
何故息子と娘が死ななければならなかったのかがよく分かりませんでした。
でも、舞台の美しさと役者の素晴らしさが強く印象に残っています。
(吉右衛門@大判事、幸四郎@久我之助、菊之助@雛鳥、玉三郎@定高という夢のような配役。)

今回は久我之助と雛鳥の出会いの場、
蘇我入鹿が大判事と定高を脅迫する場もあるので
吉野川への悲劇の流れがよく分かります。

ただ、ごめんなさい、松緑さんと時蔵さんはこの役は私の好みに合わなかった。
お二人とも初役と言うことで、こなれていなかったという感じもあります。
松緑さんは少し力が入りすぎ。
前回と比べてはいけないけれど、やはり吉右衛門さんの凜とした中ににじみ出る哀しさは胸に迫りました。
時蔵さんは上手いのだけれど、あまり好みのタイプではないというのが正直なところ。
舞台も吉野川がまるで客席へ流れ込んでいるような感覚があったのだけれど、今回はそれはなかった。
座る場所によるのかな。

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今回の出色は私にとっては梅枝さんの雛鳥ですね。
今一番好きな女方なので・・・。
一挙手一投足が嫋やかで優美。
やっぱり歌舞伎って、役者を観るものなんですよね。

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来月の第二部は菊五郎さんと歌六さんも登場。
楽しみです。




# by leonpyan | 2023-09-15 21:40 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

秀山祭九月大歌舞伎

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9月13日(水)歌舞伎座にて鑑賞。

今週は月曜日に外郎売のういろうを買いに小田原、
火曜日は京都南座で、
この日水曜日は気がつかないうちに疲れていたらしく、
金閣寺以外はまともに観ていられなかったので、記録として残すのみにします。

一、祇園祭礼信仰記 金閣寺

  松永大膳 中村歌六
  雪姫 中村米吉
  狩野之介直信 尾上菊之助
  松永鬼藤太 中村種之助
  慶寿院尼 中村福助
  此下東吉のちに真柴久吉 中村勘九郎

とにかく舞台が美しい。
金閣寺と滝と桜。
この演目雀右衛門襲名披露公演で観ているんですが、
その時は歌舞伎のカの字も分からない状態だったので、
舞台はめっちゃ綺麗、雪姫も綺麗、でも何か地味、、、って思ってた自分。
歌舞伎は役者を観る、って言うけれど、
観劇の回数を重ねていくと、もちろん演目の理解も深まるけれど、
役者さんの良さが分かってきて、見方が変わりますね。
歌六さんの格好良さ、勘九郎さんの動きのキレの良さ、
米吉さんの可憐さ。
福助さんもリハビリ中の身体で頑張っているのが感動的。
歌昇さんはいつも思うけれど、太ももの筋肉がすごい。

金閣寺だけはちゃんと観たので、感想も書けました(笑)。

二、土蜘

  叡山の僧智籌実は土蜘の精 松本幸四郎
  源頼光 中村又五郎
  番卒太郎 市川高麗蔵
  番卒次郎 中村歌昇
  渡辺綱 大谷廣太郎
  坂田公時 中村鷹之資
  碓井貞光 中村吉之丞
  卜部季武 中村吉二郎
  太刀持音若 中村種太郎
  石神実は小姓四郞吾 中村秀之介
  巫女榊 中村児太郎
  番卒藤内 中村勘九郎
  平井保昌 中村錦之助
  侍女胡蝶 中村魁春

蜘蛛の糸の回収は何と言っても尾上緑さんの勝ちだったな(笑)。

三、二條城の清正
 
  作 吉田絃二郎

  加藤清正 松本白鸚
  豊臣秀頼 市川染五郎
  斑鳩平次 松本錦吾

祖父と孫の共演。
白鸚さん、あまり無理されず、お元気でいて欲しい・・・。
でも、吉右衛門さん三周忌追善公演だからね・・・。 


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# by leonpyan | 2023-09-14 15:31 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

九月花形歌舞伎 新・水滸伝

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9月12日(火)京都南座にて鑑賞。

行ってきました、初南座!
京都に行くたび、入ってみたいなーと思っていた南座。
やっと願いが叶いました。

本当は9月8日のチケットを持っていたのだけれど、
台風13号の襲来で、延期。
にわか雨はあったけれど、ゆっくり錦市場や行きたかったカフェも楽しめて良かったです。

九月花形歌舞伎 新・水滸伝_c0004750_09525495.jpg
南座はコンパクトで舞台は歌舞伎座の3分の2くらいかな。
演出も少し変更されていました。
見やすかったし、演者さんたちが近くに感じられて好きな劇場の一つになりました。

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8月の歌舞伎座との違いは
もちろん一番大きいのはラストの幸四郎さん@魯智深がいないこと。
その科白は中車さん@晁蓋に託されていました。

それから客席降りがありましたね!
猿弥さん@王英と壱太郎さん@お夜叉が後ろの扉から通路を歩き、舞台へ上がるまで、
アドリブをいれながらの楽しいおしゃべり。
舞台に上がる階段が小さすぎるって王英が文句を言ってました(笑)。

あと、隼人さん@林沖が梁山泊に助けられて故郷に帰るというところで
歌舞伎座では普通に歩いて花道を退場したかと思うのですが、
こちらでは六方で華やかに去って行きました。

歌之助さん@張進も歌舞伎座では早めに切られて死んだ設定が
その時はまだ生きていて(「覚えてろ」って行って退場)
最後に高俅と林沖が対決するところにも登場して立ち廻りを披露しました。

そして、何と言っても嬉しいのはカーテンコール!
演者さんたちが順に登場して挨拶し、
ラストは真ん中の道を空けて林沖が登場。
一緒に行ったYちゃんとも話したのですが、
ますます新感線味が増してるね~~と(笑)。

(ああ、でも、こうやって登場するのが
亀ちゃんだったらどんなに嬉しいか、と
正直思ってしまった。
ブラッシュアップライフじゃないけれど、
二周目の人生を5月初めからやり直したい。
もちろん亀ちゃん事件のない世界線で。)

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黄檗山萬福寺のランタンフェスティバルが10月8日から12月10日まで開催されるそうで、
そこで飾られるランタンが一部こちらの会場に来ていました。
12月も京都に行くんだけれど、10日より後なのよね。残念。
萬福寺はお茶ともご縁のある、お寺です。
見所も一杯、オススメの場所です。


今回は1階席を取ったのですが、
着物姿のご婦人も多かった。

歌舞伎座は1月は訪問着など華やかな装いが多いのですが、
普段は私もそうですが、どちらかと言えば紬や小紋などカジュアルな感じ。
着崩している着物ラヴァーもいらっしゃる。

今回の京都では、それはもう、玄人?って感じの方々が目に付きました。
単衣の付下げやお召しに名古屋帯、色目も柄も派手ではないけれど、センス良くはんなりしている。
髪もしっかり作られていて、後ろ姿が美しい。
私の隣はたぶん花街のお姐さん方と思いますが、頭の先から足もとまで完璧、
柔らかい京都弁で色々な方とご挨拶をされていました。
この日は着物を着ていかなくて良かった、と思ってしまいました(笑)。


遠征は楽しい!
全国の芝居小屋を巡りたくなってきましたよ。

# by leonpyan | 2023-09-14 11:23 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

八月大歌舞伎 第二部

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8月24日(木)歌舞伎座にて鑑賞。


一、新門辰五郎 

 作 真山青果
 演出 織田紘二

 新門辰五郎 松本幸四郎
 会津の小鉄 中村勘九郎
 芸妓八重菊 中村七之助
 秋葉屋のお六 板東新悟
 天狗党都築三之助 市川染五郎
 辰五郎倅丑之助 中村勘太郎
 金看板の源次 市川猿弥
 山野堀の彦造 中村隼人
 山井実久 中村獅童
 絵馬屋の勇五郎 中村歌六

幕末の京都が舞台。
元々は太平洋戦争のさなか、国民総動員法に間接的に抗議する作品であったらしい。
最後の小鉄の「御政治向きは御政治向き、人間はまた人間だ」というセリフが象徴的。

混沌とした時代の中で人間関係も複雑なので、時代背景を知らないと内容がスッと入ってこないかも知れません。
私は敢えてイヤホンガイドは借りませんでしたが、山井実久の立ち位置が家に帰って筋書きを読むまで分かりませんでした。
でも大筋のところは大丈夫でした。

俳優陣が豪華。
幸四郎さん、格好いいし、隼人さんイケメン過ぎるし、猿弥さんも大活躍。
でも、やはり一番上手いのは歌六さんですね。
本当に歌六さんが登場すると、舞台が締まるんですよね。

それにしても勘太郎くんも大きくなったのね。
宣材写真、團子さんもだけれど、撮り直ししないのかしら。
染五郎さんは更新されたので、学生を卒業しないとダメなのかなあ。

澤瀉屋の翔之亮さん、翔三さんも出ていて、
これからは他の座組への出演も増えるのかな、なんて思いました。
別の意味で修行のチャンスかもしれないですね・・。

幸四郎さんは三部ともご出演で納涼歌舞伎を支える覚悟を感じます。
八月にはいつも一緒だった相棒の不在をどうしても考えてしまうよね。
また二人のわちゃわちゃを観ることができたらいいな・・・。


二、団子売

 杵造 坂東巳之助
 お福 中村児太郎

大坂天神橋で団子を売る夫婦の舞踊劇。
これって、2017年8月に勘九郎と猿之助で演じてたんですね。
弥次喜多に集中していて、見逃してしまったわ。
観たかった・・・。

今回のみっくんと児太郎さんも息が合っていて、良かったです。
二人とも踊りが上手くて体幹がいいので、キッパリと気持ちいい。
13分は短すぎるな(笑)。


# by leonpyan | 2023-08-25 12:24 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

八月納涼歌舞伎 第一部 

八月納涼歌舞伎 第一部 _c0004750_11332258.jpg
8月24日(木)歌舞伎座にて鑑賞。
久しぶりの3階席だったけれど、めでたい焼き争奪戦には負けましたw。


一、裸道中

 作:谷屋充
 演出:大場正昭

 博徒緒川の勝五郎 中村獅童
 勝五郎女房みき 中村七之助
 大政 市川男女蔵
 小政 中村橋之助
 次郎長女房お蝶 中村高麗蔵
 清水の次郎長 坂東彌十郎

清水の次郎長外伝、主役は十年前に次郎長親分に世話になり、
今は尾張の緒川村で貧乏暮らしをする勝五郎夫婦。
何故、裸・・?になるのか、までの人情話。

元は新国劇で、歌舞伎での上映は初。
納涼歌舞伎は大衆的な演目をかける傾向ですね。

わちゃわちゃして、楽しかったです。
獅童さんご活躍は年末の超歌舞伎への助走なのかな。
彌十郎さんが特に良かった。
身体の大きさがそのまま器の大きさを表すような演技。


二、大江山酒呑童子

 酒呑童子 中村勘九郎
 平井保昌 松本幸四郎
 渡辺綱 坂東巳之助
 酒田公時 中村橋之助
 碓井貞光 中村虎之介
 卜部季武 市川染五郎
 濯ぎ女わらび 中村児太郎
 濯ぎ女なでしこ 板東新悟
 濯ぎ女若狭 中村七之助
 源頼光 中村扇雀

勘九郎さんの酒呑童子は2018年10月に上演されたものも観ていて、
とても面白かったと記憶していました。
酒のおかわりをねだる酒呑童子が可愛いんですよね。
中村屋のDNAである愛嬌に当て書きした演目ですね。

私はもちろんみっくんが出るのでチケット買ったんですが、
四天王役もすっかり板に付いてきて、
近い将来は鬼神の役もやってほしいですね。

# by leonpyan | 2023-08-25 11:42 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

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by ちょし