1月5日(金)歌舞伎座にて昼の部鑑賞。
2024年元旦の夜、能登を震源とした大きな地震が北陸地方を襲いました(令和6年能登半島地震)。
関連して、飛行機事故も起りました。
尊い命を失われた方々へ心よりお悔やみを申し上げます。
被災された方々が一日も早く落ち着いた生活に戻られますように。
微力ながら、ささやかではありますが、義援金を送ろうと思います。
本日、初観劇に行って参りました。
亀ちゃん不在の初春歌舞伎。
ここ数年、特に2020年からの印象が強く残っていて、
連獅子、悪太郎、四の切、歌舞伎草紙と、夢のような演目が続いていました。
敢えて観に行かないという選択肢もあったので、かなり迷いました。
でも、昼の部には澤瀉屋の面々が出演するし、お気に入りの「荒川十太夫」はやはり観ておきたい、と三階席を購入。
ぼっち観劇でも目一杯楽しめるよう、色々計画しましたよ。
松竹から4千円分の金券をいただいていたので、お弁当を奮発したり(児雷也の天むす弁当、美味しかった!)
木挽町の売店でお土産にわらび餅を買ったり。
観劇後はデパートに寄り、貯まっていたギフト券で正月セール品のカーディガンと手袋を買ったり。
お正月のささやかな贅沢を満喫しました。
それでも、「荒川十太夫」ではマスクがビショビショになるくらい泣いてしまったな。
感想は下記にて。
一、當辰歳歌舞伎賑
五人三番叟 中村福之助
中村鷹之資
中村歌之助
中村玉太郎
中村虎之介
英獅子 中村雀右衛門
中村鴈治郎
中村又五郎
正月恒例の華やかで賑やかでめでたい舞踊。
若手の生き生きとしてキレのある踊りと
ベテランの粋で色気たっぷりの踊り。
鷹之資さんはやはり体幹がしっかりしていて、頭が上下せず、足運びの緩急も上手い。
若手ではこの人と壱太郎さんの舞踊が好き。あ、みっくんは別格扱い(笑)。
雀右衛門さん、赤姫もまだ全然やれるけれど、芸者姿が好きだな。
二、荒川十太夫
荒川十太夫 尾上松緑
松平隠岐守定直 板東亀蔵
大石主税 尾上左近
杉田五左衛門 中村吉之丞
泉岳寺和尚長恩 市川猿弥
堀部安兵衛 市川中車
配役は前回とほぼ一緒ですね。
演出は若干変わったところもあったようです。
やはりこのお話は感動的。
劇場内も固唾を呑んで見守っている。
鼻をすする音もあちこちで。
(途中で切腹シーンに驚いたのか、女性が叫んだのにはビックリしました。)
冒頭で出てくる茶店の娘が尾上緑さんで、客が市川翔三さん、
この二人がいいムードでやり取りする一瞬のシーンにちょっと萌えました(笑)。
松緑さんは十太夫にすごく合っている。
実直さが伝わってくる。
亀蔵さんも吉之丞さんも前にも増して良い。
我らが猿弥さん、ピーンと張り詰めた舞台を和ませてくれます。
亀ちゃんに替わって安兵衛を演じた中車さん。
中車さんはちょっと強面で意志の強そうな安兵衛。
それだけに、十太夫の嘘が少し悲しく感じられます。
亀ちゃんは凜としながらも、もう少し柔らかい印象だったかな。
亀ちゃん@安兵衛は十太夫の嘘に感づいていたような、それでいてそれを受け入れていたような。
どちらも素晴らしい安兵衛でした。
もう、これは私個人のことなのでスルー推奨なんですが、
やはり亀ちゃんを思い出して途中から涙と鼻水ボロボロでした。
中車さんのセリフが亀ちゃんの声に重なるんです。
亀ちゃんと中車さん、イトコだから似ているけれど、演技は似ていない。
でも、猿翁さんにしろ、中車さんにしろ、やっぱり同じ役を演じているのを観ると否が応でも亀ちゃんを思い出してしまう。
私、本当に亀ちゃんの芸に惚れてるんだな。
誰も代わりにはならない、それはもう分ってる。
これからも亀ちゃんが演じた役を誰かが演じるのを観る度にこうやって思い出すのだろうと思う。
決して上書きはされないだろう。決して。
三、狐狸狐狸ばなし
手拭い屋伊之助 松本幸四郎
女房おきわ 尾上右近
雇人又市 市川染五郎
博奕打ち福造 大谷廣太郎
おそめ 市川青虎
弔問の女おしづ 中村梅花
遊び帰りの男 澤村宗之助
寺男甚平 中村亀鶴
法印重善 中村錦之助
江戸を舞台にした喜劇。
これは役者によってかなりコメディ要素が変わってくるかも。
主演の三人は悪くないけれど、もうちょっと弾けても良かったかな。
染五郎が意外とこういう役もできるんだというのが発見。
そして、今回の優勝は青虎さん。一番笑いを持って行きました。
右近さん、菊五郎劇団の新国立ではなく、歌舞伎座に出たのはピンの人気役者になった証かな。
今回、大向こうさんがいつになく棒で、こういう大向こうさんもいるんだーと何だか面白かった。
やっぱり難しいんだな。
江戸消防記念会による木遣り始めがありました。
木遣り歌のあと、全員で一本締め(チャチャチャンチャチャチャンチャチャチャンチャ!です。チャン!は一丁締め)。
華やかな観劇の幕開けとなりました。