2007年 06月 07日
バベル
一人で映画~♪♪
これが自分の活力になっていたんだと再確認。
最近は専ら車で行けるシネコンばかりで軟弱化してるけど、
それでも外界から遮断されたあの空間はつかのまの旅に出るような感覚さえ得られます。
本日は最近できたばかりの「おおたかの森S.C.」TOHO CINEMAへ。
つくばエキスプレスの開通でこの沿線がにわかに活気づいてきました。
この数年で車で30分ほどの場所に数箇所シネコンができたのは嬉しいことですが
反比例して足を運ぶ時間が取れなくなったのは残念。
で、『バベル』です。
この監督の以前の映画は『セプテンバー11』のオムニバス以外は未見です。
『アモーレス・ペロス』も『21グラム』も見逃しました。
群像劇のスタイルで時間軸をずらしながら展開させるのは、この監督の手法みたいですね。
私は群像劇は好きだし、面白いとは思うんですが、
そういうタイプの映画が自分のベストに来ることってあまりないんですよね。
肝心なところでカタルシスが得られないというか、
感情移入する前に気持ちが分散するというか、
人間関係を整理し、その複雑な構造に感心するうちに終ってしまうような・・・?
理解力が不足しているんですかねぇ。頭ワルイ?
この映画の場合もモロッコ編、南カリフォルニア~メキシコ編、日本編と
場面が入れ替わったり前後したりします。
まあ、大筋としてはそれほど難しいわけではなく、
登場人物も群像劇にしては多くないので混乱することはありません。
ただ、映画の流れとしてはモロッコ編とメキシコ編が撮り方もよかったし落ち着いてみることができたのだけれど、
日本編はエピソード自体が無理に取ってつけたようなつながりになっているせいか、
終始浮いているような違和感を覚えました。
日本編の出来が悪いわけではないんですよ。
でも群像劇のパズルをはめ合わせるために、ちょっと意識的に細工されたような印象はあります。
そのへんが気になってしまう。
素敵な洋服を着ているのに、一箇所だけ糸のほころびを見つけて落ち着かないような。
おまけにモロッコのゆっくりとした時間の流れやメキシコの底抜けな明るさに比べて
東京の人工的な街並みとティーンエイジャーの退廃ぶり、実につらいです。
話題の菊地凛子ですが、存在感がすごかった。
高校生役はちょっと辛い気もしますけど、この役を沢尻エリカみたいな女優が演じたら別の映画になっちゃうもんね。
やっぱり菊地凛子がはまり役なんだろうな。
一番不幸で渇いたような日本編でしたが、ちょっとラストに救いがあってホッとしましたよ。
やっぱりこういうときは役所広司、ですか?(っつーか、この人しかないのか?あと謙さん?)
で、感想ですが、考えさせられるいい映画でしたよ。
多分、ベストには入らないけど(群像劇だし)。
(あ~今日はレビューがまとまんねぇ~~群像劇だし)
・バベル@映画生活
時間をずらすのは、私も必然性がない限り(『メメント』とか)好みじゃないです。本当にそれに注意が向いちゃいますよね。娘などは面白れえ面白れえと言って喜んでましたが。私は脳みそが少し痛みました。
そう、私もこの映画は面白く観たんですよ。メッセージも受け取りました。
でも、どこがどう面白かったのかと書く段になると、「あの場面は面白い」とか「このエピソードのこういうところがウケた」とは書けても(それじゃネタバレになっちゃいますし)、全体としてのレビューは書きにくいですねえ。
読み返すと褒めてないみたいに感じますが、映画自体は評価は高いんです、これでも(^^;)。