2020年 02月 11日
パラサイト 半地下の家族

パラサイト 半地下の家族 (2019) 【監督】ポン・ジュノ 【出演】ソン・ガンホ / イ・ソンギュン / チョ・ヨジョン / チェ・ウシク / パク・ソダム / イ・ジョンウン / チャン・ヘジン |

奇しくもアカデミー賞受賞式当日の夕方にシネコンを予約し、直前に受賞を知った。
ニュースで駆け込んだ観客が多かったのか、平日の午後にしてはかなり座席は埋まっていた。
ポン・ジュノ監督の作品は全部観ているわけではないが、『殺人の追憶』が生涯ベスト5に入ってる私としては期待度もMAX。
よくできている。
構図、2家族の対比、光と空間、とにかくセットと映像がものすごく凝っている。
これぞ映画の真骨頂だと思う。
最近私は映画よりもナマで感動をもらえる舞台演劇にハマっているが、『パラサイト』のすごさは映画でなければ絶対に表現できないところかもしれない。
ただ、観ている間、「これが作品賞?」と頭をよぎっていたことも事実で、たぶん周りの観客の皆さんもそんな風に思っていた人は少なくないだろうと思う。
もっと面白おかしく笑える映画なのだろうと思っていたが、ブラックジョークが笑えないのだ。
なんだかザワザワするのだ。
終盤は息もつかせぬジェットコースター展開である意味ものすごいエンターテインメントなのだが、ものすごく居心地が悪いのだ。
たぶん、それは監督の意図するところなのだろう。
鑑賞後、ジワジワと虫が這いあがってくるような感覚に捕らわれた。
気が付いたら泣きそうになっていた。
私には珍しくプログラムを買ったら、ポン・ジュノ監督が「どうか、ネタバレをしないでください」とお願いされていた。
なので、これ以上無駄なことは書くまい。
とにかく、これは「映画オタクがつくった映画」である、ということだけは確かだと思う。