
宮崎駿原作の漫画を通し狂言にした新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』を一日がかりで鑑賞してきました。
8日に主演の尾上菊之助が負傷し夜の部が中止になったことでも話題になりましたが、
宙乗りはなし、トリウマに乗るシーンもなし、殺陣も少な目。
それでも骨折しているとは思えないパフォーマンスでした。
ナウシカ 尾上菊之助
クシャナ 中村七之助
ユパ 尾上松也
ミラルバ/ナムリス 坂東巳之助
アスベル/オーマの精 尾上右近
ケチャ 中村米吉
セルム/墓の主の精 中村歌昇
クロトワ 片岡亀蔵
チャルカ 中村錦之助
マニ族僧正 中村又五郎
ヴ王 中村歌六
私は映画も観ていないし、漫画も読んでいないので、新鮮な気持ちで観ようと、敢えて予習はしないで行きました。
が・・・何とも複雑で壮大な世界観。
慌てて幕間でプログラムを買い、解説と人物相関図を確認してしまった(笑)。
このお話を昼夜とは言え一日で演じるのは大変だと思います。
舞台も次から次へと転換し、セットもすごいことになっている。
これはお金もかかってますねー。
内容は一回観ただけでは分からないことも多く、もしかしたらジブリに疎い人は付いていけていないかも(私か!?)。
でも、見終わった後に不思議な感覚が残ります。
生きる、ということの根底的なテーマを垣間見たような、奥にじわりじわりと響いてくる。
原作のパワーを伝えたい、という熱い思いがとても伝わってくる舞台でした。
新作歌舞伎でチケット完売という演目はさすがという他はありません。
今は、たぶん漫画や映画の名場面をなぞることが最優先となっているのでしょう。
これから少しずつ演出や脚本に修正が加わっていけば、新しい古典となるかもしれません。
七之助はいいですね~。
若手の女形では七之助と米吉がやはり見目麗しく発声もいい。
菊之助は姿かたちは綺麗なんですが、どうしても発声が気になる。
舞台って、声が大事だと私は思うんですよ。
巳之助ファンになったのも声からなので。
あ、あとはいつも美味しいところを持って行く亀蔵さんも好き。
ご一緒してくれたKちゃん、Yちゃん、お疲れさまでした&ありがとうございました!