2017年 06月 05日
花戦さ
花戦さ (2017) 【監督】篠原哲雄 【出演】野村萬斎 / 市川猿之助 / 中井貴一 / 佐々木蔵之介 / 佐藤浩市 / 高橋克実 / 山内圭哉 / 和田正人 / 森川葵 / 吉田栄作 / 竹下景子 |
この時代のお話は歴史上の人物それぞれに先入観や思い入れがあったりして、なかなか素直な見方ができないのだけれど、今回の主役は花、そして初めて聞く池坊専好という僧侶である。
よくある戦国時代の信長や秀吉や利休を軸としたお話とは少し違うところが新鮮に感じた。
池坊専好のキャラクターが野村萬斎にぴったりと合っていて、ともすれば重苦しいストーリーが明るく救いのあるものとなっている。
利休が専好を草庵に招き茶を点てるシーンは印象的だ。
利休に心を開き癒される専好。
そして対照的に利休の茶室で我儘なふるまいをする秀吉@猿之助。
名だたる戦国武将たちが魅了された利休の秘密がそこにはある。
素直に悩みを打ち明け泣くのも、困らせようと駄々をこねるのも本質的には変わらない。
利休は黒樂に象徴されるように懐深く客人をもてなし包み込み受け入れる。
しかし利休自身は決してぶれることはない。
私の中で様々な利休像が交錯していたが、佐藤浩市の利休は自分の中でスッと穏やかに着地した。
最後に、華道というのは茶道から派生したもの、と思いこんでいた私。
たいへん浅薄でした。ごめんなさい。