2011年 01月 23日
モンガに散る
【監督】ニウ・チェンザー
【出演】イーサン・ルアン / マーク・チャオ / マー・ルーロン / リディアン・ヴォーン
ここ2年ほどはあまり台湾映画を観ていなかったのだけれど、
舞台が台北の萬華で、80年代後半と言うのに惹かれ、
話題のイケメン俳優が出演と言うことも気になって(笑)行ってきました。
86~7年と言えばちょうど私自身台北に留学中だった頃。
まだ戒厳令も残っており、国民党が一党支配を守っていて、
この映画の通り、本省人と外省人の確執も根強く残っていました。
萬華の奥には赤線と性病専門医院が並ぶ一角があり、
猥雑でとてもローカルな雰囲気が漂っていたのを覚えています。
台北市内全体は徐々に都会化されつつありましたが、まだまだ人が素朴でのんびりしていました。
この後の10年で町並みも変化し、政治的にも大きく動くことになります。
ゲタ親分に象徴されるような古い世代の時代は終わりつつあったのでしょう。
そんな時代背景を踏まえながらも、
この映画は決してノスタルジーに片寄ることなく、
前半は躍動感のある青春映画仕立て、
後半は人間臭く、ストーリー性を重視した極道ドラマになっています。
不良→極道、友情と裏切り、よくあるパターンの題材ではありますが、
見せ方を心得た映画の作りに、最後まで飽きることなく鑑賞しました。