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閑遊閑吟 

三月大歌舞伎 夜の部

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3月8日(金)歌舞伎座にて夜の部鑑賞。

一、伊勢音頭恋寝刃

 福岡貢 松本幸四郎
 今田万次郎 尾上菊之助
 料理人喜助 片岡愛之助
 正直正太夫 坂東彦三郎
 奴林平 中村歌昇
 油屋お岸 坂東新悟
 杉山大蔵 大谷廣太郎
 桑原丈四郎 中村吉之丞
 猿田彦太夫 市村橘太郎
 銅脈の金兵衛 松本錦吾
 徳島岩次実は藍玉屋北六 中村亀鶴
 藍玉屋北六実は徳島岩次 片岡市蔵
 叔母おみね 市川高麗蔵
 油屋お鹿 坂東彌十郎
 藤浪左膳 中村又五郎
 油屋お紺 中村雀右衛門
 仲居万野 中村魁春

この演目は映像で貢@中村梅玉&万野@歌右衛門バージョンを、
2017年4月の歌舞伎座で貢@幸四郎&万野@猿之助バージョンを見ています。
(今確認したら歌舞伎座バージョンはお紺が梅枝さんだし、お鹿は萬次郎さんだし、
私的にはものすごくオイシイ配役だった!)

今回は歌舞伎座では1962年以来62年ぶりの通し狂言ということで、
「相の山」「宿屋」「太々講」の段は初めて観ました。
万次郎がまんまと折紙を盗まれる場面や
正太夫が貢と貢の叔母にていよくあしらわれる場面、なかなか面白かったです。

彌十郎さんのお鹿はコントっぽすぎるし、大きいし〈笑)。
何にも悪いことしてないし、万野に騙されただけなのに
貢に切られちゃって、可哀想過ぎる。

幸四郎さんの貢も菊之助さんの万次郎もニンでした。
魁春さんの万野もにくたらしくて良かった。
正太夫は最初誰だかわからなかったけれど、声で彦三郎さんだと分った。
かしょーまんは奴姿が似合うのよねえ。


二、六歌仙容彩 喜撰

 喜撰法師 尾上松緑
 所化 河原崎権十郎
 同 中村松江
 同 坂東彦三郎
 同 坂東亀蔵
 同 中村萬太郎
 同 中村種之助
 同 中村鷹之資
 同 中村玉太郎
 同 尾上左近
 同 中村亀三郎
 同 尾上眞秀
 同 小川大晴
 同 中村吉之丞
 祇園のお梶 中村梅枝

京都の東山に桜が咲き誇る背景が美しく、
清元と長唄連中が並ぶ楽しい舞踊劇。
六歌仙とは紀貫之が挙げた優れた歌人のことだそうです。
今回はほろ酔い気分の喜撰法師が通りで見かけた美しいお梶を口説きにかかるが振られちゃう、という筋。

梅枝さんが色っぽくて、見とれてしまう。
松緑&梅枝コンビは息が合ってます。
飲み仲間だからね!

ちびっ子所化の可愛いこと!
音羽屋は安泰だ。

そして、今回発見したこと。
種ちゃんの可愛さは、いつも口角が上がっているからなんだ!


※六歌仙 

僧正遍照  天つ風 雲の通い路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ (百人一首)

文屋康秀  吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ (同)

在原業平  ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 唐紅に 水くくるとは (同)

喜撰法師  我が庵は 都の辰巳 しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり 〈同)

小野小町  花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに (同)

大伴黒主  春さめの ふるは涙か 桜花 散るを惜しまぬ 人しなければ (古今和歌集)



# by leonpyan | 2024-03-10 16:58 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

舞台 中村仲蔵 ー歌舞伎王国 下剋上異聞ー

舞台 中村仲蔵 ー歌舞伎王国 下剋上異聞ー_c0004750_10301207.jpg
2月24日(土)東京建物ブリリアホールにてソワレ鑑賞。

イープラス貸切公演のゴールド席!
F列センターブロックという良席。
本当、イープラスにはお世話になってます😁

最初に断っておきますと、私は中村仲蔵のことは知っていますが、
落語も講談もちゃんと聴いたことはないし、
勘九郎さん主演のドラマ版も観ていません。
なので、感想は的外れな部分もあるやも?
この舞台を観てからは俄然全部網羅したくなりましたが😅

脚本 源孝志
演出 蓬莱竜太

出演 藤原竜也、市原隼人、浅香航大、
   尾上紫、廣田高志、植本純米、古河耕史、深澤嵐、斉藤莉生、
   今井朋彦、池田成志、高嶋政宏

面白かった!
舞台美術、音楽、演出、どれを取っても素晴らしく、舞台芸術の妙が生きていました。
音楽!パーカッションが良かったなあ。
市原隼人の三味線も頑張ってた。

そして、この舞台は藤原竜也ありき、です。
藤原竜也のエネルギーがほとばしっています。
この座組に本物の歌舞伎役者がいないのは正解だったと思います。
一人でも歌舞伎役者が存在していたら、バランスが崩れるでしょう。
舞台はごまかしが利きません。
踊りのシーンではやはり尾上紫さんの所作が違うのが分ります。
私たちは歌舞伎を観に来ているのではなく、
歌舞伎役者を題材にした演劇を観ているのだ、という意識で観た方が
この舞台を存分に味わえるのではないかと思うのです。

そういう意識のもとで観ていても
仲蔵@藤原竜也の外郎売は見事だったし、
斧定九郞の段は格好良くて、ワクワクしました。

成志パイセンは最近悪役続きでしたが、今回は神!
ヒッピーのような出で立ちで、自由自在に動き回る。
怪しげだけれど、神々しさもある、さすがの演技です。

高嶋政宏も芯の通った役で存在感を見せてくれました。
イープラス貸切恒例のカテコ挨拶でもしっかり締めてくれましたね。

楽しみだった市原隼人の筋肉!あ、違った、演技。
二役なのに、全然演じ分けてない!
もう、いつも"市原隼人”なんだよね。
それもまたいいんだけど!

今回唯一残念に感じたのは、女方が出なかったこと。
劇中劇も團十郎の荒事演目が主体だったので女方は必要なし、と
脚本からも抜いたのでしょうけれど、
浅香航大とか、植本純米とか女方が得意な役者さんもいたので、ちょっと観てみたかった。

歌舞伎役者ではない役者さんたちの作る歌舞伎を舞台とした舞台、
かなり重圧も大きかったろうと思います。
私の周りの感想はほぼ絶賛です。
(歌舞伎通の意見は聞いていませんが・・・)
私も観て良かった!と清々しい気持ちで帰途につきました。




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# by leonpyan | 2024-02-25 12:14 | 観劇 | Comments(0)

スーパー歌舞伎 ヤマトタケル (隼人バージョン)

スーパー歌舞伎 ヤマトタケル (隼人バージョン)_c0004750_16475573.jpg
2月19日(月)新橋演舞場にて昼の部鑑賞。

新橋演舞場で絶賛公演中のヤマトタケル、中村隼人主演は2月で終わってしまう!
というわけで、行って参りました。
今回は1階席5列目センターの超良席でした。
前回目が届かなかったところにも発見があって、やはり一階席はよく見える。

團子さんバージョンは初日と言うこともあり、観てるこちらも肩に力が入ったりしたんですよ。
でも、隼人さんはさすがに最近は主演も板に付いてきて、安定感がある。
それに、女性にモテモテのヤマトタケルというのに説得力がありすぎ。
顔の良さももちろんですが、ちょっと寂しげな表情がいいんですよね。
私、特に隼人ファンではないのですが、倭姫の気持ちが分るわ(笑)。

時代劇や巌流島の舞台を経験したのもあってか、立ち廻りもいいですね。
熊襲の弟タケルがお父上の錦之助さんだったのですが、二人の対決が胸熱です。
錦之助さん、還暦越えて、この動きはすごいな。
1986年の初演の時から何回もこの役をやってきて、思い入れがあるんでしょうね。

みやず姫は笑野さん!
笑野さんは笑三郎さんと共に変人揃いの澤瀉屋の良心と言われています(きおいちょ談)。
奥さまが元宝塚の男役だそうで、家ではどんな会話が飛び交うのでしょう。
と、言うのは置いといて、笑野さんのみやず姫はお姉さんぽい美形♪

そういえば、今回猿紫さんが役についていないけれど、早替わり役をやっているのかな?
段之ママも珍しく朝臣の立役だし、澤瀉屋の面々がどんな役をしているのか気になってしまう。
翔三さんは背が高くてお顔がいいので、どこにいても割とすぐに分る。
今回は一階席だったので、前回見つけられなかった翔之亮さんも分ったわ。
熊襲の場面とか、後ろにいる踊り子や民衆や兵士がどんな風に演じているのかを観るのもなかなか面白い。
やはり舞台は何回も行った方が解像度が上がって楽しいですね。
お財布が許せばですが・・・(苦笑)。


作 梅原猛
監修 石川耕士
脚本・演出 二世市川猿翁

小碓命後にヤマトタケル/大碓命 中村隼人
兄橘姫/弟橘姫 中村米吉
帝 市川中車
皇后/姥神 市川門之助
タケヒコ 中村福之助
ヘタルベ 中村歌之助
犬神の使者/琉球の踊り子/新朝臣 嘉島典俊
ヤイラム 市川青虎
ヤイレポ 市川猿四郞
老大臣 市川寿猿
新大臣 市川猿三郎
ミンダラ 市川門松
トスタリ(相模の占い師) 市川欣弥
倭姫 市川笑三郎
国造の妻 市川笑也
熊襲兄タケル/山神 市川猿弥
熊襲弟タケル/尾張の国造 中村錦之助
帝の使者 市川團子
みやず姫 市川笑野


今回は延べ4時間半がわりとあっという間に感じました。
ただ、これだけの長時間だと、どこかでどうしても集中力が切れるんですよね。
それがだいたい第2幕の走水の場面。
お弁当も食べた後だし、この演目では一番納得のいかない箇所だし(笑)、ふっと意識が飛んだり。
悲しい場面なのに、ごめんね、米吉さん、、、。

# by leonpyan | 2024-02-20 18:27 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為

シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為_c0004750_21360128.jpg

2月15日(木)東劇にて鑑賞。

大好きな阿弖流為!
2016年以来2回目のシネマ歌舞伎鑑賞です。
本当にこれは生の舞台を観なかったことを悔やみました。
音楽も立ち廻りもまんま新感線なんですが、歌舞伎役者の身体能力の高さを強く実感できる作品。
大げさな見得をついついしてしまう阿弖流為と田村麻呂が口を揃えて言う「サガだ!」が最高。

あらすじ
 
 古き時代。北の民 蝦夷は国家統一を目論む大和朝廷に攻め込まれていた。そ
 こに、かつて一族の神に背き追放された阿弖流為が、運命の再会を果たした恋人 立烏帽子(たてえぼし)と共に戻り、蝦夷を率いて立ち上がる。
 一方、朝廷は征夷大将軍に、若くとも人望の厚い坂上田村麻呂を据え、戦火は更に激化していく。
 戦いの中で、民を想うお互いの義を認め合いながらも、ついに2人が決着をつける時が迫り来ようとしていた。


作 中島かずき
演出 いのうえひでのり

阿弖流為:松本 幸四郎
坂上田村麻呂:中村 勘九郎
立烏帽子/鈴鹿:中村 七之助
阿毛斗:坂東 新悟
飛連通:大谷 廣太郎
翔連通:中村 鶴松
佐渡馬黒縄:市村 橘太郎
無碍随鏡:澤村 宗之助
蛮甲:片岡 亀蔵
御霊御前:市村 萬次郎
藤原稀継:坂東 彌十郎


前回観た時よりも歌舞伎に対する解像度が上がって、
役者さんたちに対する親しみも深くなり、
感動の度合いが爆上がりしました。

この舞台の根底にあるテーマにも考えさせられます。
中央政権が国家統一を実現するために地方の豪族や民族を征伐する。
「戦争になると義の上に大がつき、大義となる。この大義が俺は信用できない」
という田村麻呂の科白に表されるように、それは本当に義に基づいたものなのか。
「ヤマトタケル」の熊襲も「阿弖流為」の蝦夷も言います。
ただ、自分たちは自由に平和に生きたいのだ、と。
古代から現代まで、この構造は全く変わっていません。
未だに大義のために戦争は行われている・・・。

勘九郎さんは本当に格好いい。
幸四郎さんはもともと美形だけど、勘九郎さんは拵えるととたんにオーラをまとう。
十七世勘三郎も十八世勘三郎も愛嬌があって魅力的だった。
勘九郎さんはもちろん愛嬌もあるんだけれど、
それ以上に凜々しさというか、ヒーロー的なオーラがあると思う。
もっともっと格好いい役をどんどんやってほしいな。

そして、今回も萬次郎さんと亀蔵さんとくまこにノックアウトされました。
阿弖流為、最高です!!


# by leonpyan | 2024-02-15 22:20 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

猿若祭二月大歌舞伎 昼の部

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2月14日(水)歌舞伎座にて昼の部鑑賞。

寛永元(1624)年に初代猿若(中村)勘三郎が猿若座(後の中村座)を立ち上げ、江戸歌舞伎が始まりました。
これを記念して行われるのが「猿若祭」です。
江戸歌舞伎の発祥から400年、今年はちょうど十八世勘三郎の十三回忌と重なり、その追善となりました。
勘三郎丈が亡くなってもうそんなに経つのかと驚きます。


一、新版歌祭分 野崎村

 久作娘お光 中村鶴松
 丁稚久松 中村七之助
 油屋娘お染 中村児太郎
 百姓久作 坂東彌十郎
 後家お常 中村東蔵


猿若祭二月大歌舞伎 昼の部_c0004750_20311677.jpg

鶴松さんが歌舞伎座での主役に抜擢され、ポスターも作られたというのは何だか嬉しい。
鶴松さんの娘役は本当に可憐。
いや、もう、お染より美形だと思うわ。
児太郎さん、姫の風格あるんだけれど、肩幅広くて逞しすぎるのよw

最初のおみっちゃんの可愛いこと。
本当に大根切ってたよね。
あれは毎日どうしてるのかしら。
毎日大根の味噌汁かしら。

明るく幸せな序盤から一転、
お染のかき口説きはちょっとエロティック。
その後はおみっちゃんがあまりに可哀想で涙したわ。
おみっちゃん・・尼さんにならなくても、あなたにはもっといい人が見つかると思うわ・・。

舞台転換から籠と船に別れて行く場面がよくできていて、
歌舞伎ってこういうところが本当にすごい。


二、釣女

 太郎冠者 中村獅童
 大名某 中村萬太郎
 上臈 坂東新悟
 醜女 中村芝翫

噂の釣女、やっと観ることができました。
現代ならとんでもなく「不適切」な題材ですが、
太郎冠者も醜女も愛嬌があって笑ってしまう。

大名がまどろむ(寝る)ポーズとか
上臈がずっと袖を見せるようにしているポーズとか、
意外と体幹や筋力が必要なんではないかと思います。
じっとしている役の方が辛いって夜話でも言っていたしね。


三、篭釣瓶花街酔醒

 佐野次郎左衛門 中村勘九郎
 兵庫屋八ツ橋 中村七之助
 兵庫屋九重 中村児太郎
 下男治六 中村橋之助
 兵庫屋七越 中村芝のぶ
 兵庫屋初菊 中村鶴松
 遣手お辰 中村歌女之丞
 女中お咲 中村梅花
 若い者与助 中村吉之丞
 絹商人丈助 大谷桂三
 絹商人丹兵衛 片岡亀蔵
 釣鐘権八 尾上松緑
 立花屋女房おきつ 中村時蔵
 立花屋長兵衛 中村歌六
 繁山栄之丞 片岡仁左衛門

猿若祭二月大歌舞伎 昼の部_c0004750_20310993.jpg
さて、籠釣瓶です。
これは故勘三郎×玉三郎×仁左衛門バージョンはシネマ歌舞伎で去年観たばかり。
花魁道中の華やかさ、見染めのシーン、衝撃のラストなど、見所も一杯。
加えてキャストが超豪華!
歌六さんが登場すると一気に舞台が引き締まる。格好いい!
時蔵さんはこういう役がハマる。強気な女将に説得力あり。
にざさまは相変わらず色男が似合う。
きおいちょは悪い役を楽しんでるね。

花魁役の児太郎さん、芝のぶさん、鶴松さん、皆さん美しくて凜としていました。
九重はいい役だよね、児太郎さん、良かった。

七之助の綺麗さは玉さまにも迫る。
愛想尽かしのキツさは玉さまを越えている。
勘三郎さんの次郎左衛門は人の良さが前面に出ていたので、何だか可哀想、、と感じたんだけれど、
勘九郎さんの次郎左衛門は実直で真面目で、その裏返しの怒りが目に現れていて、恐怖すら感じた。

歌舞伎に通うようになった8年前は勘三郎さんに間に合わなかったことを悔やんだけれど、
今は勘九郎さんを観られることが嬉しい。
歌舞伎ファンは○○の時代を観られて良かった、とか、
○○の襲名には生きてないかも、なんてことを言ったりしますが、
その時の「推し」を見つけられれば幸せですよね。
かの方が不在の今は本当の意味での「推し」はいませんが、
勘九郎さん、巳之助さん、鷹之資さん、團子さん、梅枝さんが観られれば御の字かな。

# by leonpyan | 2024-02-14 22:36 | 歌舞伎鑑賞 | Comments(0)

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by ちょし
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