10月27日(金)立川ステージガーデンにて鑑賞。
立飛グループ創立100周年記念事業として、立川で初めての歌舞伎上演です。
立川は本当に久しぶりに降りましたが
駅前が整備されて、おしゃれな街並になっていました。
伊勢丹もあるし、高島屋S.C.もあるし、パレスホテルも!
そして、立川の発展に大きく貢献している企業が立飛グループのようです。
立飛の前身は立川飛行機、戦前は軍用機メーカーだったのですね。
立川ステージガーデンは2020年にできたばかりの大型ホールを有した施設です。
駅から歩いてくると、モノレール下にサンサンロードという並木道があり、
GREEN SPRINGSという商業施設にはおしゃれなカフェやレストランが。
その先にステージガーデンがあります。
会場でいただいたチラシにはGREEN SPRINGSで使える千円券が入っていて、
お芝居が引けた後、帰りに果物やパンを買う人で行列ができていました。
私も立川にお金を落とすべく(?)アップルバターを買いましたよ。
さて、歌舞伎です。
今年の春の時点でよだいめが忠信篇を通しでやります!と宣言していたので、
とても楽しみにしていた舞台です。
一時はああ、中止かな、、と思っていたら、澤瀉屋総力戦で再編成。
よだいめではない忠信を観るのは少し勇気がいるけれど、
これからも澤瀉屋を応援すると決めたからには行かなくてはね。
ご挨拶 市川中車
解説 中村壱太郎 市川團子
中車さんの挨拶は立飛グループへの感謝と100周年記念のお祝いメッセージが主体。
ヨイショおじさんだった(笑)。
解説は若い二人。
壱太郎さん、話が上手い!
團子さん、すっと立ち姿がキレイで清々しい。
立飛のゆるキャラも登場、撮影OKタイムがありました。
伏見稲荷鳥居前
佐藤忠信実は源九郎狐 中村鷹之資
武蔵坊弁慶 市川猿三郎
鵜の目鷹六 市川喜猿
源義経 市川笑三郎
静御前 市川笑也
この演目は4月に忠信@愛之助、静@千之助で観たばかり。
いやいや、笑三郎さんの義経、格好良かったー。
最近立役が多い印象ですが、品格のあるお芝居は得意中の得意ですよね。
笑也さんの静御前も本当に奇跡の60代ですよ。
そして、鷹之資さんの忠信。
出からしっかりつかまれました。
走ってくるその姿勢、迫力、重心がピタッと決まり、頭が動かない、素晴らしい体幹。
静の舞踊も上手いけれど、荒事も上手い。
猿翁さんとよだいめがよく言っていたと言う「きっぱり」という言葉を思い出しました。
鷹之資さんは本当にきっぱりと演じています。
今の20歳前後の花形の中では一つ頭が出ている感じ。
道行初音旅
竹本連中
清元連中
佐藤四郎兵衛忠信実は源九郎狐 市川團子
静御前 中村壱太郎
逸見藤太 市川猿弥
壱太郎さんの静御前は何度か観ています。
今回は特に美しくないですか!?
楚々とした色気もあって、素敵でした。
團子さん!!もう「ちゃん」呼びできないわ。
背も伸びて、一層イケメン度が増しているし。
清々しく、美しい忠信でした。
ほのかに色香も感じられて、この一年で本当に成長したんだな、と思います。
壱太郎さんと並ぶと一幅の絵画のように美しい。
このカップルは他の演目でも観てみたいな。
踊りは彼の真面目さが出ているのか、曲線より直線的な印象が強いのですが、
きっと場数を踏むにつれて柔らかさや強さの緩急が付くのではないかと思います。
そう、今は表情も動きもまだまだ肩に力が入っている感じなんですよね。
でも、それが観ている私たちに窮屈さを与えないのは、彼の爽やかさ、まぶしい若さゆえでしょうね。
引っ込みのぴょんぴょん飛びは子狐みたいにめちゃ元気だった。
華もあるし、これからが本当に楽しみです。
長生きしなくっちゃ。
猿弥さんは、、、猿弥さんです。カワイイ。
あんなにまん丸なのに動けるって、猿弥さんとドラムが双璧でしょ(笑)。
川連法眼館
佐藤忠信/忠信実は源九郎狐 市川青虎
静御前 中村壱太郎
亀井六郎 中村鷹之資
川連法眼 市川寿猿
川連法眼妻飛鳥 市川笑也
源義経 市川笑三郎
横川覚範実は能登守教経 市川中車
そして四の切。
まずは澤瀉屋の四の切を踏襲してくださった青虎さんに感謝。
今、四の切の狐忠信を演じられるのは、ずっと澤瀉屋の四の切を観てきて、
一昨年は自主公演でも上演した青虎さんだけですよね。
その時はよだいめに指導してもらったとのこと。
正直、観ている間よだいめの影をずっと追ってしまいました。
申し訳ないけれど、どうしてもよだいめの狐忠信と比べてしまう。
青虎さんはとても上手い方だけれど、仕方ないんです。
誰が演じても、今はきっと冷静に観られないんです。
三代目の四の切もDVDで観たんですけれどね、
やはりよだいめが好きなんですよ。
何だろ、あの狐が乗り移っている感じ。
そして、観客に向かって、騙された!?すごかった?っていう表情のドヤ顔。
あ、よだいめのことを語るのは場違いでしたね。
腰元も荒法師も澤瀉屋のベテラン勢がさすがの実力を見せてくださって、
その一体感が気持ちのいい舞台でした。
澤瀉屋にとっては新しい1ページが開いたという感じかな。
もちろん前途には越えなくてはいけない問題がたくさんあるでしょうけれど、
観客を楽しませようという強い想いが伝わってきて、これなら大丈夫だな、と。
私も動ける限り、劇場に足を運びたいと思っています。
立飛ステージガーデンは、正直歌舞伎に向いてるとは思えないけれど、
街をあげての盛り上がりは嬉しいですよね。
スポンサーが付くということの大切さも実感するし。
ちょっと遠いけれど、またここで上演されれば馳せ参じます!
今回はカテコもあって、楽しかった。
中車さんが澤瀉屋の層の厚さを紹介。
十代から九十代までしっかり舞台に立っていましたね。
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