12月24日(日)歌舞伎座にてイープラス貸切公演鑑賞。
イープラスの貸切公演は日頃からとてもお世話になっているけれど、
(帝劇関係はあまり当たらないけれどね)
歌舞伎でイープラス貸切公演が始まったのは多分今年からじゃないかな、
事前レクチャーも魅力的なので、日程が合えば応募するようにしています。
今回の事前レクチャーは超歌舞伎の脚本担当の松岡亮さんとプロデューサーさん(お名前失念。NARUTOも担当した方だそう)。
超歌舞伎の成り立ちと歴史、裏話など、30分があっという間でした。
ドワンゴさんからニコニコ超会議のイベントコラボの話が来て、振付を藤間勘十郎さんに依頼、
合同会議で映像担当者に締め切りを聞いたら「一昨日くらいですかね・・」と既にスケジュールがオーバーしていたこと。
2016年初めて幕張メッセで産声を上げた時は2日間で5公演だった。
最初の日は満席にならなかったが、当時のSNSで評判が評判を呼び(今で言えばバズった)
翌日はわずか15分ほどで整理券が完売。
以来、ファンの方々に支えられて、南座、博多座、御園座、演舞場と来て、今年はとうとう歌舞伎座へ。
今回中村勘九郎さん、七之助さんも出てくれることになったが、
条件は今まで超歌舞伎に貢献してきた役者さんたちの役はそのまま彼らがやること、
自分たちがその役に取って代わることはしたくない、と。
(レクチャーのお二人も超歌舞伎で御曹司出身ではない役者さんたちの知名度が上がり活躍しているのがとても嬉しい、と。)
松岡さんがこの日着てたのはファンの方々が自主発注した超歌舞伎の文字と紋が入った法被。
音声付きペンライトの説明もしてくれました(高いし使い方が難しくて申し訳なさそうだったw)。
映像担当は本当に細かいところまで凝っていて、
今回のオープニング映像には亡き獅童ママが獅童さんのお子二人と一緒に立っている姿を入れたり(確認した!)
一瞬だけ映るポスターを2023超歌舞伎のポスターにしたり(これも確認した!本当に一瞬だし半分しか見えないw)。
プロデューサーさんが今までで一番印象に残っているのは
ニコニコ超会議配信中に大きく流れた「松竹にしてはいい企画」のコメントだそうw。
松竹さんも楽しんでやってるなーというのが伝わってきて、
私も素直に楽しもう!という気持ちと大きな期待を胸に劇場に向かいました。
一、旅噂岡崎猫
おさん実は猫の怪 坂東巳之助
由井民部之助 中村橋之助
お袖 坂東新悟
おくら 坂東やゑ亮
これは三代目猿之助で人気の出た演目「獨道中五十三驛」の中の無量寺の場。
2016年の地方巡業に四代目猿之助と巳之助さんがWキャストでかかった演目です。
プロデューサーさんが巳之助さんと、超歌舞伎と一緒にやる演目をどうしようかと相談したとき
巳之助さんからこの演目をやりたいとの申し出があったそう。
(さすがにプロデューサーさんからよだいめの名前は出ませんでしたが)
巳之助さんもよだいめから教わったこの演目を大切にしてくれているのだな、と感慨深かったです。
超歌舞伎のデジタルな舞台に対し、古典のアナログな演出をたっぷり観てもらおうというもの。
猫のぬいぐるみと巳之助@化け猫が踊ったり、
おくら@やゑ亮が猫に操られてアクロバティックな動きを存分に見せたり、
結構長い客席降りがあったり、
おどろおどろしい展開なのに楽しさがある。
やゑ亮さんの活躍はすごい。
バク転はもちろんのこと、倒立、ブリッジ歩き、宙返りと見所満載。
そういえば、マハーバーラタで私が感心した馬車の足もやゑ亮さんだったみたい。
何故ポスターに名前がないの、と思う。
早く名題に昇進するといいなあ。
みっくんはお爺さんもお婆さんも扮装が上手いよね。
ちょっと見わからないもんね。
でも、実は俊敏な猫というギャップがまた面白い。
二、超歌舞伎 Powered by NTT
今昔饗宴千本桜
脚本 松岡亮
演出・振付 藤間勘十郎
佐藤四郎兵衛忠信 中村獅童
美玖姫 初音ミク
蝶の精 中村種之助
陽櫻丸/狐の精 小川陽喜
夏櫻丸 小川夏幹
初音の前 中村蝶紫
青龍の精 澤村國矢
頭取 市川青虎
神女舞鶴姫 中村七之助
朱雀の尊 中村勘九郎
初音ミクの代表曲「千本桜」と歌舞伎の名作「義経千本櫻」に着想を得て
ニコニコ超会議2016で初めて上演された作品。
今回歌舞伎座で上演するために進化した形で帰ってきました。
松浦氏曰く、初音ミクの’初音’と忠信編の’初音’の鼓も思わぬ偶然だったそうです。
ストーリーはざっくりした感じですが、その分分りやすく、
ペンライトを出演者の色を変えて振ったり、
大向こうを自由にかけたり、
ラストの千本桜のシーンではオールスタンディングでピンクライトを振るなど
観客参加型の大盛り上がりの演出になっています。
会場にはミクさん絵の法被を着た人、
ミクさん人形やミクさんぬいぐるみを持った人、
ペンライトを3本も4本も持った人、
通常の歌舞伎座では見られない客層がとても楽しかった。
私自身はコンサートでも団扇や光る稲穂を振っている人間なので、
こういうパフォーマンスは大好きです。
歌舞伎のエンターテインメントとしての潜在能力の大きさを感じたな。
獅童さんの熱演もすごかったし、お子たちもめっちゃ可愛かった。
悪役に徹する國矢さん、ミク姫の母を演じる蝶紫さんも良かったし、
可愛い蝶の種之助さん、美しい舞いを花びら屋のお嬢様方と踊ってくれた七之助さん、
白塗りがやっぱり格好いい朱雀の尊の勘九郎さん。
ミクさんがアドリブに対応できるのもびっくりした。
そして!とんぼ担当の皆さま、そして白狐のアクションを演じた内木克洋さん!
立ち廻りとアクションが盛りだくさんで、アクション好きの私は興奮しましたよ。
ラストの獅童さん&ミク姫の宙乗りも盛り上がりましたねえ。
観客参加型と言えば、ワンピース歌舞伎も楽しかったのを思い出しました。
舞台の良さって、会場が一体となって感動を共有するというのが一つあると思うんだけれど、
超歌舞伎やワンピース歌舞伎のように身体を動かして発散できるというのもすごくいいなあと思うのでした。
来年歌舞伎座か演舞場でかかったら、また行っちゃうな。