2006年 09月 08日
グエムル -漢江の怪物-
今までの韓国映画マイベストはポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』とホ・ジノ監督の『八月のクリスマス』。
監督で言えば、ホ・ジノ監督はその後の2作がいまひとつだったので、私の中では終ってる(すいません)。
期待値はポン・ジュノ監督がダントツです。
好きな俳優は何と言ってもソン・ガンホ。
いいですよ~ソン・ガンホ。
ポン・ジュノ監督とソン・ガンホがまた組む、と聞いたら観ないわけにはいきません。
おまけにポン・ジュノ監督の一作目『ほえる犬は噛まない』に主演していたペ・ドゥナも出ている、
とくれば期待するなというほうが無理。
でも、何ですか、解説を垣間見たところでは、モンスターパニック映画なんですか?
ガンホ兄貴、去年の『南極日誌』がサスペンスホラータッチでこけただけに、一抹の不安も。
そういうわけで期待値少し抑え目で行きました。
・・・が、2時間。途中少し中だるみはあったけど、とても面白かったです。
普通の怪獣モノとかパニック映画じゃないでしょう、これ。
ソウルの一大事なのに警察とか軍隊とかほとんど活躍しないし、英雄もひとりもいない。
ハリウッド映画なら絶対大統領が出てきてるよね。
形態はモンスターパニック映画ですが、この映画の本質はどこか別のところにあるんでしょうね。
グエムルの等身大なリアルさとか、ブラックでコミカルな演出とか、シュールなラストとか、
バランスがめちゃくちゃなのに上質のエンターテインメントに仕上げているのはやはり監督の力量でしょう。
その根底に流れている人生への問いかけのようなものが余韻となって残る、不思議な映画です。
やっぱりポン・ジュノ監督はタダモノではありません。
俳優も素晴らしかった。
ガンホ兄貴は本当に小市民を演じるとピカイチですね。
JSAの将校役のような演技も上手いですけど。
ガンホ演じるカンドゥのお父さんの役のピョン・ヒボンの情けなさもいい。
弟役のパク・ヘイルは『殺人の追憶』でも光ってましたが、間の取り方が上手い役者さんです。
妹役のペ・ドゥナはジャージが似合い過ぎ!
そして怪物に連れ去られる娘ヒョンソ役のコ・アソンが健気です。
映画の出来としては『殺人の追憶』のほうが高い評価ですが、
今のところポン・ジュノ監督にハズレなし。
これからも期待しています。
・グエムル 漢江の怪物@映画生活
※TBしていただいたサイト ・・・の続き 夏子さん
>>バランスは悪いのに
おっしゃる通りですね。「ゴジラ」みたいに説教臭くならずw一級のエンタテインメントに仕上がっているのに感動しました。
ちょしさんの左ナビに「殺人の追憶」が紹介されているのでいつかソン・ガンホ兄貴の話ができる日がくると思っていましたが、やっぱり兄貴好きだったんですね。うれしいです!
私の兄貴との出会いは「シュリ」、続いて「JSA」と王道を歩んでますが最近やっと観た「大統領の理髪師」に続いてホントに素晴しかったです。「シュリ」「JSA」のヒットでちょうど韓国映画がどんどん日本に入ってき出したころ仕事が忙しかったこともあってパク・チャヌクの「オールドボーイ」とかいい作品をいっぱい逃しているのでもうちょっとキャッチアップしたいんですよね……。でもWOWOWでもスカパーでもクォンサンウとかばっかり。
私はソン・ガンホとユ・ジテとシン・ハギュンとソル・ギョングが好きです。「殺人の追憶」「ほえる犬は噛まない」はちょっと久しぶりにDVDをレンタルしようか今悩み中です。
ワタシも好感触でしたよん☆
「家族愛」でしょう!!! コレ。
監督との出会いの『ほえる犬は噛まない』のぺちゃんもよかったし^^
そぉ、 色々ツッコミどころ満載なんだけど、 いい作品だと思います♪@パニック+コメディ+家族愛ホロロン
韓流ベストが『八クリ』というのも嬉しいお話です。私もなんですよ。
『八クリ』と『JSA』がダントツトップ。
両方とも古いですが、これ以上に滲みるのはまだないです。
監督さん、彼のお国では私はポン・ジュノとパク・チャヌクです。
『殺人の追憶』は良い映画だったし、ソン・ガンホとペ・ドゥナもいつも期待を裏切らない役者さんですね。
いつ観られるのだろうか、、、。
ソン・ガンホ、ユ・ジテ、シン・ハギュン、ソル・ギョングとはこれまたマニアックですね(^^)。韓流に興味のない映画ファン仲間にもこのあたりの役者さんたちは人気があります。ソル・ギョングと言えば、『ペパーミントキャンディー』『オアシス』もすごくいい映画ですよね。
『殺人の追憶』は是非観ていただきたいなー。兄貴、サイコーですよ!
一人「ガンホ祭り」しちゃいましたー!良かったですよね。ガンホ兄貴も良かったんですけど、今回はまわりのキャラも皆丁寧に描かれていて、見ごたえありました。『南極日誌』の脱力が解消しましたよ(笑)。
そちらでは上映されませんか?DVDになるのはまだ先かもしれませんね。ポン・ジュノとパク・チャヌクがお好きだったら、この映画もきっと気に入るんじゃないかな。『八クリ』いいですよねー。シム・ウナ、すごく好きなんです。整形するならああいう顔がいいな(爆)。『JSA』も大好きです。この映画のイ・ヨンエはあまり好きじゃないけど(笑)。
「グエムル」レビューに惹かれてTBさせていただきます。
大統領はいつ出てくるの?と思いつつ
警察は怪物を包囲するどころか、小市民家族を追いつめる筋に
目からウロコでした。ありかよ!?と。
そこらあたりがポン・ジュノ監督のカラーなんでしょうね。
最強な家族のブラックコメディを別物語で観てみたいです。
はじめまして。コメントありがとうございます。
昨日からTBの設定を変えたので、うまくTBされなかったと思います。申し訳ありません。本文のほうにリンクさせていただきますね。
ポン・ジュノ監督の目線はいつも普通の人たちのもとにあって、人々の思いや行動を彼独特の語り口で描いてくれますよね。映画掲示板ではモンスターの造形がパクリだなんて意見もありますが、そんなのどーでもいいんです(笑)。映画の骨組みがオリジナルなんですから。