2006年 07月 22日
胡同(フートン)のひまわり
胡同とは、旧城内を中心に点在する細い路地(幅は10m弱)のことで、
この胡同に面して四合院と呼ばれる伝統的な作りの家屋が建っています。
(愛しのレオン・ライの生家も北京の西四羊肉胡同という場所にあるんですよね~)
そんな失われつつある景観を再現した映画、ということで観て来ました。
「泣ける」「感動」という宣伝のせいか、中国映画だからなのか、
それともル・シネマという場所柄か、年配のマニアックな方々(含む自分?)で満席、
会場はすすり泣きでいっぱいになるのかな、と思いつつ観ていましたが
波はいつ来るかと思えばなかなか来ず、意外と淡々と進んでいきます。
スン・ハイイン演じるお父さんがこれまた過干渉で理不尽で見ていてイライラすることしきり。
親とは理不尽なものである、ってのがテーマなの?なんて途中で思ってしまった。
最近では中国の教育パパ・ママもものすごいものがあるから、
そういった風潮への皮肉もあるのかな、なんて。
それがラスト近くになってやっと大波がやってきます。
(とは言えやり過ごせるくらいの波なので、私は泣くまではいかなかったけどね。)
ああ、お父さんはこういう気持ちでずっと生きてきたのか、って。
監督の実体験に基づく父と子のドラマとのこと。
頑固な親父とそれに反発する息子。
でも気がつけば、息子は父にずっと見守られてきた。
ラストは多分、賛否両論。
お父さんの気持ちが分からないと言う人もいるかも。
私は何となくわかるような気がしたな。
文革の傷を背負って生きてきた彼は新しい世界が見たかったんだろうと思う。
後から思い出すと、「いい映画だったな」と思えます。
でも、観ている間は2時間超はちょっと長すぎる。
チャン・ヤン監督、『スパイシーラブスープ』の時のようなリズム感やスタイリッシュ感がなくなったなあ、とちょっと残念。
・胡同のひまわり@映画生活