ALWAYS三丁目の夕日

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巷ではこの映画が大ヒットしているらしい。
原案は30年も続いている大人気コミック『三丁目の夕日』で、
昭和30年代の東京の下町が舞台になっています。

映画は東京タワーが建設途中だった昭和33年のお話。
ある日、自動車修理工場・鈴木オートに、青森から集団就職で上京した六子がやってくる。
しかし、思い描いていたイメージとのギャップに、少しがっかりした様子。
その鈴木オートの向かいにある駄菓子屋の店主が、しがない小説家の茶川竜之介。
彼はひょんなことから、一杯飲み屋のおかみ・ヒロミのもとに連れてこられた
身寄りのない少年・淳之介の世話をすることになる…。


あんまり言いたかないけど、私はこの映画の舞台となった年のあたりの生まれでございます。
この映画に出てくる風景ははっきりとは覚えてはいないけれど、何となく実体験として肌にしみついています。

もの心ついた時には東京タワーは既に凛としてそびえていましたが、
近所にタバコ屋のおばちゃんはいたし、駄菓子屋もあったし、空き地には土管が積んでありました。
日本橋や銀座に行く足も都電でしたっけ。

だから画面いっぱいにひろがるVFXを駆使した昭和30年代初期の風景は懐かしかったですねぇ。
でも、何となく違和感があるんですよ。
やはり作りこみ過ぎているからでしょうかね?
子供の顔が必ず泥だらけで服はすすけてボロボロ、そこまで汚くなかったよなあ。

いまひとつしっくり来ない気持ちで観ているうちに、あるシーンでその違和感は氷解しました。

鈴木オートの息子、一平が淳之介の書いた冒険小説を読んで、
21世紀の未来を想像する場面があるんですが、それはCGを使った所謂近未来都市だったんですよね。
よくSF映画で出てくるような未来都市、無機質な高層ビルが立ち並ぶ、例の図です。
21世紀と言えば、「今」なわけですよ。
やっぱり想像の世界と現実はかなり乖離しているものなんです。
そこでハタと思いあたりました。
そうか、この映画は現在の私たちが50年前を想像している図なのだ、と。
つまり、映画の中の子供たちが21世紀を想像しているのと同じように、
私たちは昭和33年というファンタジーの世界に訪れているんです。
ある意味誇張の世界です。
ならば、どっぷりとその世界に浸かろうではありませんか。

それからは素直に映画に身をゆだねることができました。
そうすると、映画の中の一平や淳之介が自分と重なるような気がしてくるから不思議です。
集団就職で出てきた六ちゃん(堀北真希ちゃん、GJ!)が本当に近所で働くお姉ちゃんのような気がしてきます。
びっくりするような大きな出来事は起こらないけれど、
みんな希望を抱いて懸命に生きた、それがキラキラしていた時代でした。

隣に座っていたオバサマはラストは号泣でしたねえ。きっと団塊の世代の人だな。
何だかそれを見てホロリとしてしまいましたよ。

監督の山崎貴は前作『リターナー』でちょっと注目してました。
『リターナー』は荒削りだし、パクリは多いし、それほど出来がよかったとは思えなかったけど、
それまで観た日本映画の中ではVFXの使い方やアクションの取り入れ方にセンスを感じました。

今回も技術的にもさらに進化してとてもいい仕事していると思います。
途中でワイヤーアクションが入っていて、こんなところで凝っているなあと思ったら、
アクション監督は谷垣健治さんだったんですね。
監督はかなりオタクですなぁ。


ALWAYS 三丁目の夕日@映画生活
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Commented by デッカード at 2005-11-25 13:00 x
なるほど!上手いコトいいますねぇ!<この映画は現在の私たちが50年前を想像している図なのだ これは是非!コピペしてくださいませm(_ _)m
Commented by leonpyan at 2005-11-25 15:45
>デッカードさん
コピペさせていただきました!
デッカードさんの評の「昭和33年を舞台にした絵本を見ているような映画と言えなくも無いです」という一文はすごくよくわかります。上質な絵本ではありますけどね。
Commented by デッカード at 2005-11-26 02:17 x
有難う御座いましたm(_ _)m っつーか、これだけ、ここで映画評を書いてるんですから、全部コピペしてくださいよ!!!毎回、「なるほどなぁ・・・」と思っているオイラの気分をレンコン野郎共に味あわせてやろうじゃないですか!っつーか、あひるさんとか、ココを読めないみたいなんですよ。なんせ、PCが古いから!
Commented by leonpyan at 2005-11-27 00:23
結構適当に書いている部分も多いので・・レンコンジャーは見る目が厳しいので手を抜けないんですよ(笑)。真面目に書いたときはコピペさせていただきまーす(^^)、
Commented by うーすけ at 2005-11-27 04:20 x
まさにワタシが生まれた「昭和33年」に完結?する(=東京タワー完成・つまり同い年^^)映画です~~!

生まれたばっかの自分は物心付くまでは、あと2年くらいが必要でしたが(爆!)、 自分でも知ってる2歳以降の雰囲気が懐かしく、 高度成長期を表す、 家電の三種の神器やら集団就職などの時代背景を縦糸に捉えながら、 「当時あっただろう」人情話の横糸で、 自分は意外にも泣けました。 でも懐かしいってことで泣けたんじゃないんだな。 なんだろうなぁ~。 戦後10年余りが経って、ようやく安定して、 さらに前向きに生きていこうとしてた時代。 皆が夢を抱いてそれぞれの生き方を模索しながら一所懸命だった時代。 そんな時に生まれて、育ってきたことが色んな意味でありがたいなぁ~という気持ちもあったかな。

そぉ、 ちょしさん、これからもコピペしてくださいね~~~♪
Commented by leonpyan at 2005-11-27 16:29
>うーすけさん
あの頃は前進あるのみ!って感じの時代でしたから、そういう意味ではありがたい時代でしたよね。でもその後10年くらいして豊かになり始めてから誘拐事件だの三億円事件だの起き始め、都電もなくなり、町の様子も変わったんですよね。10年一昔と言いますが、本当に10年単位に重みのある時代でしたっけ。
Commented by 劇団セブン staff at 2005-12-02 00:37 x
TBさせていただきました。
Commented by leonpyan at 2005-12-02 17:14
>劇団セブンstaffさま
コメント&TBありがとうございました。ブログ、拝見させていただきますね。
by leonpyan | 2005-11-25 01:01 | 映画 | Comments(8)

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