又吉の芥川賞もすごいけどさ、私的にはやっぱりこっちでしょ。
とりあえず買うとしたら。
70年代から80年代の台北。
中華商場。萬華。廣州街。小南門。迪化街。蒋経國。
1985年から2年間台北に住んでいた私にとっては馴染みの言葉が並んでいる。
街並みも読んでいると簡単に目に浮かんでくる。
最初のほうは少しとっつきにくいかもしれない。
登場人物も地名も漢字の羅列で、それだけで断念してしまう人もいるかもしれない。
唐突なお化け話にも引く人がいたりして。
でも中頃当たりから物語はアクセルをふかし始める。
ミステリーの部分は途中からある程度予想はつくが、
その後ろにある生き様というか、誰もが皆そうやってしか生きていけなかった、というところがあまりに切ない。
台湾好きには是非とも読んでいただきたい一冊。
「
流」東山彰良著 (講談社)